■測距儀光学部 その4
光学筒中央と接眼レンズの中間には太陽光が眩しい時などに使用するサンフィルターが挟まれる。
透明ガラスも含め3段階調節が可能。3種のガラスが並んだプレートを左右へ動かすことにより切り替えを行う。暗い2枚のガラスは同一素材を使い、厚みを変えることにより減光量を調節している。プレートの端には手書きで「549」のシリアル番号が記入されている。
なお透明ガラスは光学上不必要であるが、透明ガラスを配置してプレート全体がフタの役割を果たすことにより内部へのゴミや埃の侵入を防ぐ構造になっているようだ。
中央の大きなギヤとサンフィルターが並ぶプレートの裏側に設けられた直線ギヤが噛み合ってプレートを左右へ動かす。
こちらは透明のレンズに切り替えた「減光なし」の状態。
フィルター切り替えノブを回して「減光量最大」の状態。プレートが左へ動き減光フィルターが内部のプリズムを覆う。
接眼レンズ部。2つの接眼レンズは使用者の目に合わせてレンズの間隔を調整する機能がある。この機構を実現させるためには、接眼レンズとこれに接する測距儀内部のプリズムとをダイレクトにつなぐことができないため、平行プリズムを介して光を斜めに誘導する必要がある。 斜めに加工された平行プリズム収納部には、2枚の金属板と薄い紙を挟む事によりプリズム本体をしっかりと固定する。
平行プリズムを固定させるための金属板と厚紙。プリズム側面には手書きの文字で「EDS」と書かれている。
接眼レンズは2枚構成。2枚のレンズの間には内部に細かいスリット加工がされたアルミ製リングが収まり、光の乱反射を防ぐ。細部まで実に丁寧な作り。 接眼レンズのピント合わせは左右の接眼部をそれぞれ回転させて調整するIF方式(単独繰出し)を採用。