■ショルダーハーネス その1


ショルダーハーネスは1メートル測距儀を専用の金属フレームに載せ、肩と上半身を使って保持するためのもの。測距儀本体は重い(約7キロ)ので腕だけに比べ、長時間の保持が容易になり測距儀も安定するため、より正確な測距が可能となる。

V字のフレームに固定ベルトが付いた上半身に装着するハーネス本体、測距儀を乗せる金属フレーム、金具収納・運搬ケースから構成されている。

最近のネタでいうと「ガールズ&パンツァー」(ガルパン)の秋山殿がこのショルダーハーネスを装着して1メートル測距儀を使用する場面がある。




■金属フレーム


測距儀を載せるフレームは3つの部品で構成されている。写真は組み上げた状態。






測距儀を乗せるアームが付いた3角形のフレーム(写真は右肩用)。それぞれの使用者の体型や顔に合わせて、測距儀を最適な位置に調整するためフレームは角度調整が可能。スプリングによってフレームは最も閉じた状態(測距儀が高い位置になる)となっているため、使用者は測距儀本体かフレームを下方に押さえながら、最適な位置を保持する必要がある。スプリングのテンションは弱いのでそれほど強い力は必要ない。

このフレームはジャーマングレイの上からレッドブラウン系の色で迷彩塗装が施されている。




ショルダーハーネス本体と金属フレームを接続・固定するピンは紛失防止のためチェーンで繋がっている。測距儀と同じ製造メーカーである「fwq」(Seelfelder Apparatebau Gmbh)の刻印が確認できる。




右肩用のフレームには「FürEm1mR36」(1メートル測距儀R36用)のプレートと「326」のアムト刻印がある。2本と1本の赤線はそれぞれ右用と左用を表し、運搬ケースにも同じ赤線が書かれており収納位置が分かるようになっている。





左右のフレームを接続する金具。この部品はロシアングリーンのような塗料で再塗装が施されている。裏側のCとZを組み合わせたロゴマークはカール・ツァイス社を示す。




■運搬用ケース

金属フレームを運搬する際には専用のケースを使用し、写真の3点が収まる。この運搬ケースはショルダーハーネスの後部に取り付けて背負う事ができる。









ケース本体はプレス製の部品を中央で溶接した構造。裏側の上部に設けられた2つの金具と下部の革ベルトはショルダーハーネスとの取り付け部。このケースはダークイエローの上から戦中の再塗装と思われるダークグリーンが塗られている。




ケースの中には写真の向きで各部品が収まる。フタの内側には木片にフェルトが貼られて収納部品を保護する。




内部は収納部品の形状に合わせた仕切りが設けられている。


赤い線は収納するフレーム部品に塗られた赤線に対応する。印を確認すれば左右を間違えず(左右が逆だと収まらない)に収納できる。




フタの内側中央には「fwq」と「WaA326」のスタンプが紫色で押されている。




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