■測距儀本体筒




1メートル測距儀の外装となる本体筒は全てアルミの削り出し。ここでは塗装をすべて落とし、各部品を取り外した状態となっている。




本体筒にある唯一の刻印。銘板に隠れてしまう部分であるが「525」のシリアル番号が刻印されている。「58」「41」がそれぞれ何を表すかは不明。







ペンタプリズムやサンフィルターが収まる中央部。筒本体とは別部品で構成された長方形の枠には接眼レンズの部品が取り付けられる。










筒の表面は滑り止めのため、凹凸のできる特殊な塗料が塗布されている。測距儀の側面に多数開けられた楕円や丸い開口部は、内部の組立時に外側からネジ止めが行えるようにするものやレンズ位置の微調整などを後から行い易くするためのもの。これらの開口部はプレートで塞がれるが、プレートと本体筒との僅かな隙間もシール材のようなもので完全に塞いでおり、ネジ止め箇所も意図的に厚く塗った塗膜によって隙間を塞いでいる。内部機構への砂塵や水滴対策はかなり徹底されているように感じる。




開口部の外側に取り付けられる各プレート。










対物レンズが収まる筒の両端部。この部分はレンズ保護用のカバーがかかる2重構造。




筒の両側に取り付けられる円形の保護カバー。内部に厚いクッションが入った革製。




内部は中央部に突起がある以外、完全に円形の筒となっている。




光学筒は片側から差し込んで本体筒へ入れる。




本体筒に入れられた光学筒は赤マルで示した灰色のリング部品を介して、それぞれ4本のネジを使って固定される。このリング部品と光学筒は固定されておらず、わずかなクリアランスがあるため、光学筒は本体筒の内部で動く(角度が変化する)余地がある。この角度変化を左右視野の高さ調整に利用する。




表面仕上げを落とした銘板。製造メーカーや生産年が入ったドイツ軍オリジナルの銘板はアルミ製であるが、ノルウェー語が書かれたプレートは真鍮?のような材質。材質の違いから見ても、ノルウェー語の銘板はノルウェー軍が戦後、作り直して貼り換えた可能性が高い。




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