■ラフェッテ用負い革(スリング)
ラフェッテは小さく折り畳み、兵士が背負って運搬する。この時に必要となる負い革(スリング)がメインフレームの左右に1本ずつ付けられている。
ラフェッテは重量が20キロ以上あるため、厚手の革を使い各部の金具も重厚な作り。兵士の肩にあたる箇所はベルトの幅が広くなっている。負い革の長さは最も長い状態で805mm(金具も含む)。
ラフェッテを背負った運搬状態を示すマニュアル掲載写真。多数の突起がある重量物のラフェッテを負い革無しの手持ちで長距離運搬することは困難である。
負い革は2つのベルトで構成されており、金具で接続する構造。この接続部分で長さを調整できる。
ラフェッテに接続する金具は両端共に共通。この金具はMG34のスリング金具と同一形状。
ラフェッテ用負い革の独軍オリジナルは入手が難しいアイテムの一つであるが、製造メーカーが異なると思われる3種のオリジナル品を紹介。若干ではあるが差異が確認できるので比較写真を掲載する。以後、写真左から「A」、「B」、「C」とする。それぞれ革の色目も異なるがAとBは保存状態がよく、当時の色合いをよく残している。
金具を留める革ベルトの末端の処理や縫い方が異なっている。それぞれ上からA・B・Cの順。
長さ調整の穴も3つと4つのタイプがある。上がA、下がB。
Aの刻印。製造メーカーコード「cdg」はAuvaerter und Bubeck を表し、主に馬具などの革製品を製造していたメーカーのようだ。「44」は1944年製、その下には国家鷲章がある。
Bの刻印。「B22」のアムトと「eat」はどの製造メーカーを示すものか不明。製造年の刻印も無い。Aとは刻印の向きも異なっている。なおCの革部には刻印が確認できない。
Bの金具には「R 214」の刻印がうっすらと確認できる。
Cには製造メーカーを示すと思われる刻印が打たれている。文字は「S」と「C」。
負い革金具はラフェッテ本体のD環に接続する。