■34型 弾薬箱(スチール製)/
Patronenkasten 34 für MG


■スチール製弾薬箱(1941年製)














34型弾薬箱は当初軽量のアルミ製であったが、ドイツ軍の急速な軍備拡大によるアルミ資源の確保とアルミを航空機生産へ優先的に使用するため、1940年頃よりスチール製の弾薬箱が登場。

生産時期により金具取り付け部や細部に若干の差異が見られるが、アルミ製とスチール製の基本形状は同一。最も異なる部分は材質の違いによる重さで、アルミ製978g、スチール製1687gとなっている。







1941年製を示す「41」、「WaA879」のバッフェンアムトは製造メーカー、Adelbert Fischerを表す。

この弾薬箱はRAL7021のジャーマングレイとは明らかに異なる色で塗装されており、黒に近い。







アルミ製弾薬箱の場合、持ち手ハンドルもアルミ製であるが、スチール製弾薬箱では持ち手もスチール製となる。







スチール製弾薬箱の大きな変更点が内部塗装。錆防止のため外観と同じ塗装が施されている。




■スチール製弾薬箱(製造年不明)














生産年や製造メーカーが分からないスチール製弾薬箱。各部のリベットが小さく、栓抜き型のフタ固定金具の形状が異なっている。




写真中央の少し上にバッフェンアムトのような刻印が一部確認できるが詳細不明。塗装は赤茶の下地、ジャーマングレイ(RAL7021)となっている。







内部は外装と同じ塗装。



■スチール製弾薬箱(戦後ユーゴスラビア製)




戦後、ユーゴスラビアで生産されたスチール製弾薬箱。ダークグリーンに再塗装されているが下には明るいユーゴグリーンの塗膜が確認できる。形状は「Patronenkasten 34」と同じ、寸法も同一であるが、ドイツのオリジナルと比較すると全体的にスチールの材質が厚いため、堅固で重量が重い。またフタ上面のプレスの凹み部の深さが浅い。

独軍オリジナル:1687g  戦後生産品:2564g

ユーゴ製弾薬箱は塗装の質感などでオリジナルとの区別は容易だが、形がそっくりなので入手時には注意が必要。アルミ製の「Patronenkasten 34」は戦後生産品が無く、現存はすべて独軍生産品と思われる。




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