■2脚





















MG34は「軽」機関銃というカテゴリーに分類されているがベルト弾帯を含めれば重量は14kgを超えるため、安定した射撃に2脚は必須となる。MG34の2脚はMG13の2脚をベースに設計されており、極初期型MG34の一部にはMG13の2脚を流用している。

基部は削り出し部品、脚はプレス製で脚の裏側にはバネが仕込んであるので、脚は常に開いた状態を維持する。銃本体に取り付けた状態では、後方に90度(収納するため)、前方に約10度、左右に約30度の範囲内で動き、基部から360度回転(180度ごとにロックが掛かる)させることもできるため様々な射撃場面に対応する。

なおMG34の本体価格は312RMであるがこの価格に2脚は含まれない。2脚の単価は15RMとなっているため「MG34の価格はいくらか?」という問いには「327RM」と答えるのが正解のようだ。ドイツ軍の公式資料を見ると2脚が別扱いとなっており、2脚は銃本体部品ではなく対空射撃用3脚(ドライバイン34)やラフェッテ34と同じ銃の付属品という位置づけであることがわかる。




基部下側に飛び出しているネジを回すことで、2脚の開き具合(高さ)を任意に調整することができる。写真左が最大に開いた状態(ネジを緩める)、右が閉じた状態。







2脚の接地部は先端が鋭利に加工されたプレートが溶接されている。そのとなりは2脚収納時のロック金具。













バレルジャケット側に加工された溝に2脚を取り付ける。リベットで留められた板バネにより溝に差し込まれた2脚基部をロックし脱落を防止する。








2脚を収納した状態(上の写真は説明のため片側のみ)。2脚の脚に設けられた穴にバレルジャケット側の矢印型突起を引っ掛けて固定する。2脚はスプリングにより常に開く力がかかっているため、これだけでも収納状態で固定される構造にはなっているが、さらに金具を追加し、確実に固定されるよう凝った作りとなっている。







脚の側面にある四角い開口部から少し飛び出ている部品がロック金具。2脚収納時と展開時にはこの金具を押してロックを解除する。




2脚の取り外し方。最初にフロントサイトを立てる。バレルジャケット下の板バネを押してロックを解除しつつ、2脚基部を上方へ180度回転させると銃本体から外すことができる。







バレルジャケット後部にも2脚取り付け基部が設けられている。2脚取り付け方法は前側と同じ。


















後部への2脚装着はより広い射角を得られる一方、命中率は低下する。

この位置は主に対空射撃用三脚や車載用として銃架の上に載せる場合に使用する。



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