■MG34 1944年製 ポルトガル輸出用
1944年にドイツからポルトガルへ輸出されたMG34・400挺のうちの1挺。輸出向けの細かい差異はあるものの、基本はチェコスロバキア・ブルーノ造兵廠でドイツ軍向けに生産されたMG34と同じ。
フィードカバー上面刻印によりポルトガル輸出仕様であることが確認できる。輸出1,000挺のうちの868挺目を示す「No.868」と製造年の「1944」。1943年に輸出されたMG34にはあった「Konstruktion Rheinmetall-Borsig 1943」 (ドイツ・ラインメタル社で組み立て 1943年)という刻印は無い。
「bpr」の刻印からフィードカバー本体の製造メーカーはグロスフス社。
薬室上面の刻印。チェコスロバキア・ブルーノ造兵廠を示す「dot」のコード、1944年製造を示す「1944」、製造番号は「1420」。製造番号から推測するとこのMG34は1944年1月生産の可能性がある。
レシーバー後部とバッファーの製造番号「1420」は本体と一致。不鮮明な「aA63」はブルーノ造兵廠。ストック基部と木製ストックの製造番号は「4265」なので部品が交換されている。
グリップフレームに打たれたポルトガル仕様独自の刻印「T」と「A」。ポルトガル語で「T」(※Tiro-a-Tiro、セミオート)、「A」(※Tiro-Automàtico、フルオート)を示す。
通常はベークライト製だが木製グリップが付いている。他のポルトガル輸出仕様MG34でも一部に装着された個体があり、製造当時からのオリジナル部品と思われる。木製である理由は不明。ベークライト製に比べ厚みがあり、グリップ部が太くなるので握り心地は悪化する。
グリップフレームには製造番号が無く、側面に「4」、「dot」と読めそうな刻印が確認できる。
ボルトも本体と一致する「1420 I」の刻印。同梱される予備ボルトは「1420 II」と刻印される。
やや不鮮明なエジェクタープレートのバッフェンアムト。
ベルトリンク送り部の爪部品。「WaA63」と思われる不鮮明なバッフェンアムト。
フィードカバー内側のフィードアーム。従来のハードクロムメッキではなく、黒染め仕上げとなっている。これは輸出仕様だから、ではなく製造時期による仕上げの簡略化と思われる。
フィードトレイ上部。Carl Eickhorn を示す「cof」の製造メーカーコード。
フィードトレイ右側。製造メーカー Carl Eickhorn を示す「WaA519」のバッフェンアムト。
フィードトレイ左側。本体と一致する手書きの製造番号「1420」。
リアサイトの射距離調整部に「WaA63」のバッフェンアムト。
消炎器の後方、製造番号の下二桁「20」の手書き刻印。
1940年製の2脚。おそらく製造時の組み合わせではないと思われるが、各部の刻印を紹介。
製造年の「1940」、グストロフを示す「4」のバッフェンアムトが3つ、「936」は製造番号だが、2脚は銃の付属品であるため銃本体の製造番号とは一致しない。両脚を留めるピンはハーネルまたはザウアー&ゾーンを示す「37」のバッフェンアムト。
2脚上部部品も「4」のバッフェンアムト。
脚の開きを調整するノブに「4」のバッフェンアムト。
脚の側面。シュタイヤーを示す「WaA815」のバッフェンアムト。