■ストック / バッファー
MG34のレシーバー後部は、銃口側からリコイルバッファー、ストック基部金具、ストック本体、ストック固定ネジで構成されている。
バッファーの取り外しは「1」(バッファー固定金具)を押しながら、バッファー部を90度回転させる(リコイルスプリングの圧力による飛び出しに注意)。ストック基部は「2」(ストック固定金具)を押しながら90度回転させると外れる。どちらも取り外しは容易。
リコイルスプリングが収まる筒内部には角型断面の強力なスプリングが内臓されており、射撃時の反動吸収とボルトの前進を加速させる。
レシーバーとバッファー部品の接合は、90度ごとにネジ切り加工された部品が嵌合する。大砲の閉鎖機(隔螺式)に近い凝った構造を採用している。
バッファー部品は下面の金具によって回転しないよう固定されるが、先端(赤矢印のところ)部も閉じたフィードカバーが干渉し回転を防止する。この構造により、バッファー部品はフィードカバーを開けないと取り外せない。
ロック金具を押しながらストックを90度回転させて引き抜く。装着したストックには「遊び」があり左右に数ミリカタカタと動く。
ストック後部の大きなマイナスネジを回すとストック基部が外れる。
ネジのマイナス線には機関銃手が携行するガンナーズツールポーチ収納品、薬莢引き抜き工具がピタリと適合する。
MG34のストックはMG30機関銃のストックを模しており、肩当て上部が後方へ突き出た形状や下に設けられたこぶ状の突起(2脚などを使った依託射撃の際に左手でストックを保持できるようにするため)もそのまま受け継いだ。
ストックの材質は木製とベークライトの2種類。ベークライト製ストックには肩当て部の上下に破損防止用の金属カバーが付いていたが初期型以降に廃止された。
刻印(製造番号またはバッフェンアムト)はストック左側面に打たれている。
ベークライトの素材には強度向上のためか、細かく断裁された布きれや繊維のようなものが混入されているようで、これが独特の質感とこげ茶のまだら模様を作り出している。樹脂表面もツヤの有り・無しがある。
ストック後部の肩当てには滑り止めの溝が刻まれている。
ベークライト製ストックは肩当て部が別部品となっており、ネジを通すスペーサー(木製?)が内部に収まる。
中空となったストック内部には製造メーカーコード「ehe」、「T2」は細断された繊維(主に綿)を含むベークライト樹脂であることを示す材料コード、「9011/1」の各種刻印がある。
肩当て部品もストック本体と同一メーカー、同一素材であることが刻印から読める。