■バレルジャケット










銃身を覆うバレルジャケット部品は厚さ約2.6ミリの鋼板を使いレシーバー部も一体となったスチールプレス製。単純に細長い箱型ではなく、上下は凹に湾曲させて強度を持たせている。リアサイト前方辺りから後方にかけて幅も若干広くなっており複雑な形状を見せる。右側は銃身交換の際、銃身本体を容易に取り出せるよう大きく開口しており、上下にも放熱用に楕円形の穴が開いている。


















銃身を取り外したバレルジャケット。簡素で単純な形状に見えるが、高度なプレス加工技術が集約されている。










バレルジャケット上面の放熱穴の一つがふさがれており、ここに対空射撃用照準器の取り付け基部がある。内側にバネが仕込んであり、上から対空照準器を差し込むと、バネが照準器の支柱に加工された溝に掛かって固定される。




裏側に設けられた照準器支柱固定用のバネ。








バレルジャケット右側後部にある銃身交換用のラッチ。ラッチを開く(銃口側へ押しながら右へ動かす)と銃身後部が機関部から外れて斜めに出てくる。銃身を抜き出し、新しい銃身をラッチ金具の内側を通してバレルジャケットに滑り込ませてラッチを閉じると銃身交換が完了する。銃身交換に要する時間はおおよそ6~10秒程度。






前後の2か所に設けられた2脚取り付け基部もプレス加工。削り出しで基部を製作していたMG34とは対極のシンプルさ。




スリングの前側金具は赤矢印で示した放熱穴のプレス加工部分に装着する。




バレルジャケット後部の下側。長方形の突起はラフェッテ(大型3脚)に銃本体を固定させるための基部。






バレルジャケット左面の内側には一直線に溶接跡が確認できる。




その一方で表面には溶接跡が一切見えないことから、製造時に研磨し溶接跡を消している可能性がある。




製造時期や製造メーカーの違いによるものか、溶接跡が薄く残る、またははっきりと確認できる個体もある。


















一体のプレスで製作されたバレルジャケットとレシーバーの中央部にはスチール削り出しのブロックが取り付けられる。この部品は射撃時にボルトと一体となって後退する銃身を受け止める、後退しようとするボルトのローラーロッキングを解除するという重要な役割を果たす。




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