■ボルト その1
1200発/秒の高速な発射速度を実現させるMG42のボルト。ボルト前部が約80度回転する複雑な構造のMG34から、ボルトの左右に円形のローラーを配した「ローラー・ロッキング方式」を採用し構造を簡略化しつつ、作動面でも高い信頼性を実現させた。耐久性を向上させるため全体にクロムメッキ処理が施されている。
全長:169mm 重量:545g
全てを削り出し加工によって作られたスリムで精密な印象を受けるMG34のボルトと、荒々しい加工跡が残る簡素で力強いMG42のボルト。それぞれの機関銃の性格が形によく表れている。
ボルトの上面。ローラーの後方にはエジェクターの一部が見える。
ボルトの下面にはMG34よりさらに幅広のエキストラクターを装備。薬莢のリムを確実に保持する反面、薬室内に薬莢が張り付くと、リムをちぎってしまう恐れがある。
ボルトからエキストラクターを取り外すには専用の工具が必要。3本の鋼線を撚ったスプリングが使用され、中間の金具には「Bn」の刻印が打たれている。
幅広で重厚な印象をうけるボルトヘッド。
1. ベルトリンクに差し込まれている弾薬を押し出す突起
2.エジェクター
3.ファイアリングピン
4.エキストラクター
ボルトキャリアの表面は鋳造肌がそのまま残っており、作動に関係ない部分は仕上げを省略している。下面には引き金のシアーが引っ掛かる突起がある。上面後部の円柱部品はフィードカバーの内側にあるレールと嵌合し、ボルトの前後運動により弾給機構を作動させる。