■ローラーロッキング・閉鎖機構







「ローラーロッキング」方式を採用したMG42の閉鎖機構を紹介。













銃身の薬室後部に位置するバレルエクステンションと呼ばれる部品。ボルトのローラーが収まる溝が上下左右の4か所に加工されている。




溝の銃口側は差し込まれたローラーがスムーズに動くよう、湾曲面となっている。




■ボルトとバレルエクステンションのロッキング


■ボルトの前進1
オープンボルト方式のためボルトは後退位置から射撃サイクルが開始される。引き金を引くとシアーによって後退位置に保持されていたボルトがリコイルスプリングにより前進。この時、ローラーは写真の位置にある。










■ボルトの前進2
ボルト先端部がバレルエクステンションに収まり、左右のローラーがロッキング用の溝に入る。










■ボルトの閉鎖
さらに前進しようとするボルト本体に押されたローラーはカーブする溝に沿って、外側へ押し出される。閉鎖直前には抵抗があり、一定以上の力でボルトが押されると「ガチャ!」と音がしてロッキングが完了する。

「■ボルトの前進2」の状態から6mmほどボルトが前進しローラーが最も外側の閉鎖位置にある状態。左右に開いたローラー本体はファイアリングピンベースを介してボルト内部の強いスプリングテンションが掛かっているため容易には動かず、ローラーの後部は壁でブロックされている。銃身とボルトは完全に結合しており、銃身からボルトをいくら引っぱっても外れる事は無い。この結合を解くには、ローラーだけを強い力で内側へ押し込む必要がある。




ローラーのみを閉鎖位置に配置した状態。溝にはまったローラーは内側へ逃げる以外に動くことができない。

一般的なローラーロッキングを解説した模式図などに描かれる半円形の窪みにローラーの一部が入り込んでロックするような方式では無いことに注意。




■ボルトの閉鎖解除

弾丸を発射すると、反動でボルトが後方へ押されるが銃身とロックしているため、ボルトと銃身は一体となって8㎜ほど後退(ショートリコイル)。この僅かな動きの中で銃身とボルトのロックが解除される。

それではなぜ、この後退動作でロックが解除されるのか?

イラストはMG42のボルト周りを上面から見た図を示し、ローラーが外側にある閉鎖状態。黄色で示した部分にローラーの閉鎖を解除するためのスロープ状の突起が設けられている。後退するボルトはこの突起によってローラーだけが内側へ押し込まれ、閉鎖が解除される。銃身の後退はフレームによってストップするが、銃身との閉鎖を解かれたボルトはそのまま後退を続ける。



バレルジャケットとレシーバーの中間にある削り出しのブロック部品。赤矢印の裏側に先ほど黄色で示したローラーを押し込む突起が加工されている。外側からでは分からないがMG42のローラーロッキング機構を作動させるうえで重要な部品である。







これが赤矢印で示した部品の単体。左右2ピースから構成され、後退するローラーを内側に押し込む傾斜した突起がそれぞれに確認できる。また、ショートリコイルによって後退する銃身本体を受け止めてストップさせるのもこの部品の役割である。







ローラーロッキング閉鎖時のそれぞれの部品位置を示す。バレル・ボルト・フレームの3点が複雑に組み合わさっている。これにベルトリンクの給弾機構が加わり毎秒20発、1発あたり僅か0.05秒で作動しているMG42。発射薬をエネルギーにして、その一瞬にこれらの複雑な機構が絶妙なバランスとタイミングを保って作動している様子には改めて驚かされる。




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