■対空射撃用照準器


バレルジャケット中央に取り付けるMG42専用の対空射撃用照準器。スパイダー部分はMG34と同様に削り出し加工されたリングと金属線を組み合わせて作られた手間の掛かるものと、生産性向上のためプレス製に簡略化されたものの2種類がある。
















リング部品と鋼線を組み合わせて製作された初期型のMG42用対空射撃用照準器。スパイダー部はMG34用とまったく同じ。












スパイダー部が1ピースとなって生産性が大きく向上したプレス製の対空射撃用照準器。







プレス製のスパイダー部はエッジも少しよれて品質も低下しているようであるが、精密射撃を必要とするものではないので実用性は全く問題がない。外周は強度確保のため90度折り曲げられている。










取り付け支柱の中央には「4」のように見える不鮮明なバッフェンアムトが打たれている。







照準器はバレルジャケット上部のポストに上から差し込むだけ。内側のバネで固定されるが取り外しはかなり固い。




■対空射撃用リアサイト




対空射撃用リアサイト本体はスチールのプレス製で簡素な造り。現存しているMG42を見ると対空射撃用リアサイトが欠損している例が多い。これは「破損して紛失した」という理由以外に、製造時から無かったMG42もあるようだが詳細は不明。掲載しているMG42も入手時には欠損していたため、オリジナル品を後から取り付けている。




通常は写真のように前方に倒して収納し、使用時には90度起こす。






サイトを立てた対空射撃の状態。




射手から見た対空射撃時の照準。リアサイト先端の小さな穴とスパイダーサイトを合わせる。




「敵戦闘機来襲!!」と慌ててこのように照準をしてはならない。この狙いではいくら撃っても弾は命中しない...




正しい対空射撃のイメージ。目標はP-51Dマスタング。高速で飛行する航空機への射撃は目標をそのまま中央にとらえて射撃しても当たらない。目標までの距離や進行方向・速度、角度などを考慮して未来位置へ射撃するため、スパイダーサイトを写真のように使い照準する。ここではP-51Dが右から左へ移動する場合の例。射撃をしてから目標付近へ弾丸が到達するまでの間、目標の移動量が大きい(未来位置が大きく変化する)ので、見越し量も多くとる必要がある。




P-51Dがこちら側へ飛んでくるような場合。未来位置の変化が小さいのでスパイダーサイトの内側を使い照準を行う。これらの照準方法を見ていただくとわかるように、高速で移動する航空機への射撃は極めて難しく、照準の修正量は経験と勘に頼るしかない。




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