ブランクアダプター / Platzpatronengerät


MP38・MP40で空砲を使用した際にフルオート射撃を可能にするブランクアダプター。銃口ネジの保護リングを外し装着する。ここで掲載しているブランクアダプターは本物っぽく見えるがドイツ軍オリジナルとは断定できない「眉唾物」。




MP40の独軍マニュアルに掲載されたブランクアダプター。銃身内部に差し込まれるチューブが付いた独特の形状を持つこのブランクアダプターは現存品がほとんど無く、おそらく量産されていない。また独軍マニュアルにはこれ以外のMP40用ブランクアダプターは掲載されていない。

そもそもドイツ陸軍では9㎜ パラベラム弾(Pistolenpatronen 08)の空砲について、開発は進んでいたものの量産されておらず使用されていない。独軍主要弾薬の空砲が無いとは意外だが、現存する空砲弾薬が皆無のためこれは事実のようだ。

これらの情報から少なくとも1種類のブランクアダプターは開発が進み、フライングでマニュアルに掲載されたが、何らかの理由によって9㎜弾の空砲は生産されず、ブランクアダプターも配備されなかったことが推測できる。よって、派生型のブランクアダプターが生産された可能性も低く、掲載品の真偽は疑わしい点がある。
















やや粗いツールマークや刻印を見る限り本物っぽい仕上がり。滑り止めのローレット加工も丁寧なので、ドイツ軍の珍しい試作品という可能性も僅かながら残る。側面に打たれたメーカーコード「ayf」はMP40を製造していたエルマ社だが、銃口面のバッフェンアムト「WaA416」はエルマ社以外のメーカーを示す。全長40㎜、幅25㎜、先端には3㎜径のガス抜き穴が開いている。










MP40への装着。フロントサイトガードから伸びるスプリング線がブランクアダプターに加工された溝に当たり、ゆるみを防止する。



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