マガジンローダー / Magazinfüller für MP38/40
MP38/MP40用のマガジンローダー。1938年から生産が開始され1944年ころまで生産が続いた。装弾数32発のMP38/40用マガジンはスプリングのテンションが強く、ローダーを使う事で装填を容易にし作業負荷を大きく軽減できる。ローダーは銃標準の付属品として1個が配布され、マガジンポーチに収納される。
極初期に生産された「M.P.38u.40」刻印のないMP38専用のリブなしマガジンには使えない(マガジン上部の寸法が大きいため)。
スチール板をプレスして製作された本体はブルーイング仕上げ。弾薬の押し込み部が可動し、マガジンとのロック機構を備えるなど凝った造り。複数のメーカーで製造され、Haenel、Steyr、ERMAなど6社が確認できる。
弾薬を押し込むため上部はスプリグ内蔵で上下に可動する。
「M.P.38u.40」の刻印はMP38とMP40が共用できることを示す。
1943年製を示す「43」と製造メーカー Steyr を示す「kur」「WaA815」の刻印。
マガジン上部にローダーを差し込むとロックが掛かりマガジンへ固定される。かなりタイトな精度で作られており、差し込んだローダーのぐらつきは少ない。工作精度の高さが実感できる。
下から見たマガジンローダー。ローダー内側にはバネが仕込まれた突起があり、マガジン背面にある長方形のスリットと嵌合する事で固定される。
こちらがマガジン背面に設けられた長方形のスリット。普段、気にも留めない凹みにもそこに設けられた意味がある。
可動部を押し込むと弾薬1発分が下がるので、ここへ次の弾薬を入れる。以後、同じ動作を繰り返す。素手よりも楽な装弾作業にはなるが、強いスプリングテンションに対して32回も押し込む作業はそれなりに疲労する。
マガジンからローダーを外す際には親指が当たっているレバーを押すと固定が解除される。