■マガジン

MP40のマガジン


スチールプレス製のマガジンは装弾数32発。内部で弾薬が互い違いに収まるダブルカラム式を採用。








マガジン上部はリップ部まで変形防止のため2重構造となっている。




マガジン背面。装弾数いっぱいに弾薬が装填されていることを確認するための穴と「32」の刻印。




マガジン底部のプレートは写真の左側へスライドさせることで取り外せる。




MP40のマガジン分解

マガジン内部に収まるフォロアーにまで「WaA815」のバッフェンアムトの刻印がある。




フォロアーに打たれた刻印。















MP38とMP40用のマガジンを比較する。写真左からMP38(リブなし・1940年製)、MP38/40(リブなし・1941年製)、MP38/40(リブ付き・1941年製)、MP38/40(リブ付き・1943年製)。

MP38で深刻な問題となった「マガジン内部での弾詰まり・給弾不良」はマガジン側面に2本のリブを設けることにより解決した。このリブ付きマガジンはMP40生産開始後の1941年に導入されている。そのため初期生産のMP40にはリブなしマガジン、1941年以降の生産品にはリブ付きマガジンが使われている。






写真上が1940年、写真下が1941年に生産されたリブ無しのマガジン。この2つは同じように見えるが40年製マガジンはMP40には使用できずMP38専用となる。理由は不明だがリブ無しマガジンは生産途中(1940年~41年頃)でマガジン上部の寸法が変更されている。

マガジン上部の寸法は下記の通り。

40年製 前幅:22.3㎜  後ろ幅:23.2㎜  長さ:34.4㎜
41年製 前幅:21.9㎜  後ろ幅:23.2㎜  長さ:34.4㎜
※リブありマガジンは41年製の寸法に準じる

40年製の方がマガジンサイズが少し大きい。




また銃のマガジンハウジング前側の寸法もMP40(写真右)の方が幅が狭い(0.2~0.3㎜程度)。

この寸法差からMP38用のマガジンはMP40に差し込めず、共用できない。




同じリブ無しマガジンでも側面に「M.P.38u.40」の刻印があるものは寸法が変更されておりMP40にも問題なく使用できるが、刻印を確認しないと区別ができない。MP38からMP40への移行期には多少の混乱が生じたものと思われる。




1940年製のマガジンにはハーネル社を示す「122」と「37」のバッフェンアムト、MP38/MP40共用の41年製マガジンにはシュタイアー社を示す「98E」と「WaA815」のバッフェンアムトが2つ打たれている。




どちらも1941年製のマガジンだが、一方には給弾不良を解消するためのリブがマガジン側面に追加される。




4つのマガジンは全て1941年のシュタイアー製だが、刻印の内容や位置、向きなどに差異がある。写真左以外の3本はすべてリブ付き。



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