■レシーバー その2
トリガー機構が収まるロアレシーバーの外装もオールプレス製。各部のピンは頭がつぶされて抜くことができず、内部の部品交換ができないのはMP44と同じ。破損した場合は個々の部品交換ではなく、ロアレシーバーごとの交換を前提としているようだ。分解整備を前提としない交換方式はドイツ軍としては珍しい。
トリガー機構はかなり複雑な部品構成となっているが、分解ができないことによる不良や故障への言及は少なく信頼性は高いと思われる。
トリガー機構を固定するためのピン取り付け穴を正しい位置に開けるため、うっすらと十字の線で印が付けられている。これはMP43。
全く同じ形状のMP44であるが金属の表面は細かな凸凹が全体に広がっており、これは何故かロアレシーバーの右側のみに見られる特徴。ロアレシーバーはMP43・MP44 共に同じ製造メーカーであるため、スチールの品質低下に起因するものと思われる。
トリガーガードの内側を除き、外装は1枚の鉄板からプレスで製作されているようで高度なプレス技術が使われている。
中央が肉抜きされたグリップフレーム。上下の穴はグリップの位置決め用で縁が凸になっている。
グリップは木製。裏側は表面仕上げがなく木の地肌そのまま。上下の凹みはグリップフレームとの位置合わせ用。
アッパーとロアレシーバーは一本のピンによって接続される。このピンも頭がつぶれているのでアッパーとロアは分離ができない。
レシーバー部を前方から見ると、削り出しの炭素鋼レシーバーブロックに薄いプレス製の外装がかぶさった2重構造であることがわかる。右下には「1」の刻印が打たれている。
銃身はレシーバーへ圧入後、1本のピンで固定される。