■銃身 / フロントサイト / ハンドガード
MP43の銃口周りはMP44と同一形状。MP43/1ではストレートであった銃身は途中で段差が設けられ、シースベッヒャー2型(グレネード発射機)の装着が可能となっている。
銃口先端には各種のアダプターを装着するためのネジが切ってあり、保護リングが装着される。MP43/1の場合はネジのピッチが異なり、ネジ切り部が長いため、Mkb42と同型の長い保護リングが付けられる。段差のない銃身と銃口まわりの形状が異なるためMP43/1だけは外見からも識別可能。1945年製の末期型はネジ切り・保護リングともに省略されたタイプも登場する。
4条右回りのライフリングも確認できる。
鋳造製ブロックの内部には銃身内から発射ガスを取り入れて、ピストンを作動させるためのガスの通り穴が設けられている。
叉銃用の突起がある部品はガス圧の調整弁。ネジ式で回転させるとガス圧を調整できる。
鋳造製で背の高いベースに設けられたフロントサイト。フロントサイトのブレードが別部品となっており左右調整が出来るのは他の独軍火器と共通の仕様。Kar98kと同様に工場の出荷時にサイト調整が実施されているようで、後からサイトが調整できないよう接合部をポンチで打刻してあるようだ。
フロントサイトの破損防止や直射日光を遮って照準を容易にするサイトガードはKar98Kと同じ部品が取り付けられており、後期になるとやや背の高いタイプも登場する。
上がMP44、下がMP43。鋳造の表面仕上げや銃身表面に残るツールマークなど「仕上げ」以外に大きな差異はない。
ハンドガードは簡易なプレスのスチール製。
上がMP44、下がMP43。ハンドガードに加工された放熱用の穴数が異なっているが「aqr」という同一の製造メーカーコードの刻印が確認できることから、製造時期による違いと思われる。
銃身の上部に平行して並ぶ全周にリブが設けられたガスパイプにはボルトキャリアに直結したピストンロッドが収まる。
ガスパイプの内径と内部を通るピストンの外径は、かなりタイトな精度で組み合っており「遊び」が少ない。外部に露出したガスパイプには補強用のリブが設けられているものの厚さ1㎜の薄いスチール製故に僅かでも変形すると、ピストンの動きに支障をきたす恐れがある。