■1942年製 木製弾薬箱 その1








弾薬運搬用の簡易な使い捨て木箱ではなく再利用を前提としており、ドイツ製らしい設計と工夫が凝らしてあり見ごたえがある。サイズは485×356×183㎜。重量は内部が空の状態で9.8㎏。







フタ上面には「B 」(改良型を示す)、「Luftdichter」(気密)、「Patronenkasten」(弾薬箱)の表示がある。







フタの木材は一枚板ではなく、並べた角材の上下を薄板でサンドイッチするという構造。木材原料の節約以外にも、木材のクセによるソリや変形を防ぐという重要な役割を果たす。







気密&防水性を持たせるため、フタの内側には亜鉛製の金属板が貼られ、そのフチをゴム製パッキンが覆っている。中央部のグレイに見える部分は中身を保護する緩衝材(固い厚紙)。それぞれの部材は釘で木部に固定されている。




ゴムパッキンが間に挟まるため、フタと本体の木部は閉じた状態でも密着せず隙間が空いているように見える。また、本体木部の上面は平ではなく、斜め(外周が低く内周が高い)に加工されている。







フタの裏側には小さなバッフェンアムトが確認できる。打刻ではなく、焼き印かインクによるものと思われるが「WaA20?」と3桁目の数字が不鮮明で読めない。













箱内部も亜鉛の金属板で覆われている。フタが閉まってゴムパッキンが密着すれば高い防水性を発揮する。




内部の金属板は周囲のふちを鋲で固定している。







木箱の中には7.92×57㎜弾が300発収まった紙箱が5箱(計1500発)入る。9×19㎜パラベラム弾の場合は4160発が収納可。




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