■ZF41 (1型) 製造メーカー cxn
幅の狭いエレベーションリングなどでスリムな印象を受ける1型のZF41。全長131.5㎜、重量150g。対物レンズ部の外径は23㎜。レンズ枚数は7群10枚(レティクルレンズ含む)。
製造メーカーコードはEmil Busch,A-G.を示す「cxn」、シリアルナンバー「93704」、「○」、「Z.F.41.」の刻印。「○」は1942年8月頃から使用されたマイナス40度まで耐える対寒冷地用のグリス(Vakumfett 1416)が使われていることを示す記号。このグリスの使用期間は1942年11月頃までと短期間であったため、このZF41も42年8月から42年11月の間に生産されたものと推測する。
■ZF41/1(3型) 製造メーカー dow
レンズ枚数が5群6枚(レティクルレンズ含む)となり内部構造が簡略化されたZF41/1。全長135㎜、重量176g。対物レンズ部の外径は1型より若干太い25㎜。
「dow」の製造メーカーコードはOpticotechna G.m.b.H.を示し、「+」は1942年11月以降に使用が開始されたグリスが使われていることを表すグリス記号。
「ZF40」の数字部分に打ち消し線が引かれ、横に「41/1」という新たな刻印が打たれている。ZF40はドイツ軍初の半自動小銃、Gewehr 41(G.41)に採用予定だったZF41と同型のスコープ。G.41の失敗に伴い、ZF40として生産が進んでいた部品はZF41/1と刻印を打ち直し、Kar98k用の照準器として部品が転用された。
エレベーションリングの数字は白塗され、視認性が向上している。
「6819」の製造番号は接眼レンズの銅鏡側面に打たれている。
■ZF41/1(3型) 製造メーカー cxn
こちらはもう一つの3型。
製造メーカーコード「cxn」はEmil Busch,A-G.を示す。「△」は1943年の後半以降に見られるグリス記号。一つ前で紹介したdow製のZF41/1よりも後期の生産品。
3型を示す「ZF 41/1」の刻印。
接眼レンズの側面に打たれた「154540」の製造番号。
黒染め処理後、エレベーションリングに彫られた数字の刻印は白塗されておらず、金属の地が出ている。