■Z.F.41(Zielfernrohr 41) その1



























kar98kは狙撃銃としても使用(小銃全体の生産数の5~6%)された。当初は通常のkar98kに改造を加えスコープを装着していたが、その後は命中精度の特に高い個体を生産中に選別し狙撃銃として使っていた。狙撃用スコープは民生品も含め様々な種類が使われたが、ここで紹介する1941年にドイツ陸軍に採用されたZF41(Zielfernrohr 41)は生産数が約10万ヶと多く、kar98kでは最も多用されている。






小さなスコープがkar98kの中央に装着されるため、ボルトの操作や5発クリップを使った弾薬の装填なども通常通り行える。取り回しのし易さという点では、スコープ無しとほとんど変わらない。

















ZF41は1.5倍という低倍率で全長13センチ弱と非常に小さく、専用のマウントを介してkar98kのリアサイト上面に装着する。本体中央に100メートルから800メートルの射距離に対応したエレベーションリングがある。

ZF41の目的は、一般兵士の射撃において命中率の向上と効率的な射撃を実現するためのものであり、狙撃手が長距離での精密な射撃を行うためのものではないことに注意。接眼距離が離れている・低倍率・小型であることは、周囲の状況を把握しつつ、アイアンサイトよりも高精度の射撃を可能にしてくれる。

しかし、実際の運用にあたっては開発の意図が正しく運用者に伝わらず、また約10万ヶという生産数からKar98K全生産数(約1,400万挺)の0.7%にも満たない配備割合から結局は狙撃手に使われる場面が多くなり、狙撃用スコープとして評価されたことがZF41の評判を悪化させた。またZF41を実際に覗くと以下の欠点が感じられる。

〇視野の狭さ
ZF41と目の位置関係が少しでも上下左右にずれると対象物が見えなくなる。ストックに顔をしっかりと固定し安定した射撃姿勢を維持できれば問題ない。

〇レンズの暗さ
非常に小さいレンズで構成されたZF41は対象物が暗く見える。太陽が照っている目標であれば問題ないが、夕暮れ時や日中でも陰の中にある薄暗い対象物は裸眼で確認ができてもZF41を通すと視認が困難になる。







ZF41は大まかにエレベーションリングの形状や内部のレンズ構成の違いから前期と後期型に分けられるが、ここで紹介するのは1942年頃に生産された前期型。

製造メーカーコードは「cxn」※エミール・ブッシュ、シリアルナンバー「93704」、「Z.F.41.」の刻印がある。「○」の刻印は1942年8月から使用されたマイナス40度まで耐える対寒冷地用のグリス(Vakumfett 1416)が使われていることを示す記号。




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