■Kar98kへの装着


通常のKar98kにスコープ用マウントの取り付けレールは無く、ZF41は装着できない。99%以上がこの仕様で生産されている。













ZF41マウントを装着する銃側のレール部。

ここで紹介しているKar98kは通常のKar98kとして生産された銃にZF41用のマウントアダプターを取り付けたタイプ。このアダプターについては実際に運用されたようであるが、詳細は不明。このアダプターも独軍オリジナルではなく近年生産された精密なレプリカ品である事に注意。

ZF41のマウントを持ったKar98kは当初より狙撃銃として生産されたタイプがほとんど。リアサイトの基部に一体で製作されたスコープマウントを持つオリジナルの狙撃銃タイプはZF41のマウントがさらに数ミリ低い位置にあり、低いマウントと木製ストックとの干渉を防ぐためにストックの一部が削られている点などが通常タイプと異なる部分。この狙撃銃タイプは現存数が少なく希少性が高い。工場で生産されたZF41マウント付きKar98kは以下の3か所のみで生産された。

○Mauser Werke Oberndorf (byf)
○Mauser Werke Borsigwalde (ar)
○Berlin-Lübecker Maschinenfabriken /BLM (duv)

ZF41マウント付きのKar98Kは1941~1945年の間に約126,000挺が生産された。全生産数に対して僅か0.9%。またZF41の生産数が10万個程度とされているため、マウント付きの2割程度はZF41が未装着であったことが推測される。






マウントはスライドレール部がマウントベースと嵌合するほかに、赤矢印で示した部品がロック金具となっており脱落を防止する。






銃本体への取り付けは、リアサイト後方からマウントベースのレール部に差し込み、固定用のロックレバーを押しながら前方へスライドさせる。










銃本体のレールに差し込んだだけではマウントにグラつきが生じるため、2つのローラーがついた金具を取り付ける。この部品によってグラつきは完全に解消される。




ローラーの側面とこれを受ける溝はどちらも斜めに加工されており、接点は面ではなく点で接する。この構造はお互いの部品精度が多少ラフでも遊びの少ない取り付けが実現できる。

なお極初期型は溝無しのフラット形状となっており、ここに側面がフラットなローラーが接する構造となっていた。







ローラー部品を差し込んだら、ネジ止め。これでZF41の装着が完了。




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