■内部構造 その1




ZF4を構成する主な部品は一体化が進んでおり、照準の調整に関するダイヤル部品を除くと外装ボディ、接眼レンズ部、対物レンズ部の3つのみ。生産性を高めたシンプルな構造がよくわかる。

僅かなレンズ位置のズレも見え方に悪影響を及ぼすスコープの内部部品。精密プレス部品を多用したZF4では組立精度が落ちる可能性がある。そのためZF4にはレンズ位置を組立時に微調整できる構造を採用し、精度の低下を補完している。





スコープ本体は押し出し成形された1枚のシートメタルから製作されており、これをプレス加工した強度の高い一体型で非常にシンプルなデザイン。調整ダイヤルの付いた中央部は四角形の断面、対物・接眼レンズの収まる前後は丸型となっている。表面仕上げはブルーイング(黒染め)とリン酸塩被膜処理(パーカーライジング)の2種類。

外周に加工された前後2か所の細い凹線はレインシールド固定用、対物レンズ側のやや幅のある凹線はスコープマウント側の凸と嚙み合ってマウント固定位置を明確にする。







接眼レンズとレティクル用のピントレンズが一体化された後部のレンズ部品。







接眼レンズ群はスチール削り出しの鏡胴に収まり、レティクル用ピントレンズはプレス部品によって保持。この2つはネジ込みによって連結される。




接眼レンズとレティクル用ピントレンズの距離を微調整できるようにするため前後部品はネジ込み位置を任意で固定できる構造を採用している。最適なレンズ距離になるまでねじ込み、3本のマイナスネジで固定する。




レティクルの照準線にピントを合わせる小さなレンズ。この手前にレティクル線が配置されるが、レンズの中心とレティクルの中心位置を合致させる(ここでは左右位置のみ)ことは精度的に難しく、組み立てると中心がズレる。

これを補正するため、このレンズは中心線から僅かにズレた状態で鏡胴に固定されている。




組立途中で左右の中心がズレた例。中心位置を意図的にズラしたレンズ配置により本体に差し込んだ接眼レンズ部を回転させるだけで中心位置を調整できる。ここではレティクルの左右位置だけを調整し、上下のズレは別途調整する。




接眼レンズ部を一回転させるうちに、縦のレティクルが中心位置に来る。




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