■内部構造 その2








前部のレンズ部品。削り出しの鏡胴に収まる対物レンズ群、プレス製部品で保持された左右調整レンズとレティクル線で構成されている。










こちらもレンズ距離を微調整できるよう、最適位置までネジ込んだ後に3本のネジで固定できる構造を採用。




照準器の左右(ウィンデージ)調整を行う調整レンズ。スコープ上面に設けられた調整ノブと連動し、レンズが左右に動く。










回転軸を持ったプレス製枠にレンズが保持されスプリングのテンションが掛かっている。ピン(マイナスドライバーで指している)を押すと角度が変わる。




スコープの上面に設けられた左右調整ノブ(ウィンデージ)には回転軸が偏芯した楕円形のような金属板が接続。これが回転することでレンズピンの押し具合が変化し、レンズの左右角度が変わる。

このように本スコープの左右調整はレンズだけを動かすのでレティクルは動かない。







ZF4のレティクル部品。ZF41やMGZ34、MGZ40などの光学照準器はレンズに直接レティクルパターンが加工されたレティクルレンズを使っていたが、ZF4にはこのレンズが無い。
代わりに、金属製のレティクル線が設けられている。

このレティクルは生産時期によって2タイプが存在する。






前期型に分類されるタイプ。プレス加工されたフレーム枠にレティクルとなる金属線を接着?したもの。レティクル線はわずかなズレも目立つので高精度な組立が要求される。

縦レティクルの上部は正確な円錐型に加工されている。






後期生産型で見られるタイプ。極薄い金属プレートで作られた(おそらくエッチング加工)レティクルがプレス製の枠部品に真鍮製のリベットで固定されている。




10円玉を横に並べて大きさを比較するとレティクル線の細さがわかる。






レティクルとその基部は射距離調整のため写真のように上下に動く。スコープ右側の上下調整ノブとつながる楕円形金属板の回転と連動して動く。




下の板バネでレティクルには上向きのテンションが常に掛かっている。






スコープ本体に差し込まれた鏡胴はネジのリングで固定されるがその間にはゴム製リングとワッシャーが挟まり隙間を埋める。また2か所の調整ダイヤル基部も隙間を防ぐシール材が取り付けられている。これによりZF4は簡易な防塵・防滴機能を備えている。




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