■ZF4マウント









ZF4関連のアクセサリーで必須といえるスコープマウント。他のアクセサリーと同様にオリジナル品の入手は難しく、多数のリプロ品が存在している。本項ではオリジナルと思われる品1点とリプロ品2点を紹介する。














オリジナル品のマウント。本体は鋳造で製作されており、機械加工が施された2か所(マウントレール部とスコープが載るマウント上面)を除き鋳造型のザラザラがそのまま残っている。この質感がオリジナルとリプロ品を見分ける大きな特徴の一つ。表面はブルーイング仕上げだが全体的にグレイがかった色味となっている。

この個体はマウント下部が角ばった初期生産品で「スクエア」型と呼ばれている仕様。




銃側のマウントレールと勘合する部分は機械加工が施され、鋳造肌は残らない。




「fest」(※締める)と刻印されたレバーを操作することで銃のマウントレールに差し込んだマウントを緩み無く固定させる。写真はレバーを固定側にした状態。




レバーを約180度回転させて緩めた状態。「lose」とはドイツ語で緩めるの意。




レバーの回転は中央のネジと連動しており「fest」側に動かすと、ネジが締まってマウント部が変形(上下幅が狭くなる)し銃のマウントレールに密着する。そのため横から見るとマウント下部が凹んで「への字」型となる。締め幅は0.25㎜。このわずかな寸法の変化によって、マウント装着時は抵抗なくスムーズに、締め付け時はグラつきが一切発生しない。

またレバーの下に設けられた金具(ロッキング・キャッチ)は銃マウントレールの真ん中に設けられた凹みに嵌合してマウントの不用意な脱落を防止する。この金具は極初期生産品には無く、マウントの脱落事案が発生したため途中から追加された。




マウント下面も鋳造肌が残る。ロッキング・キャッチを止めているのはドイツ軍の小火器関連では使用例が少ないロールピン。ここにロールピンが使用されているのはマウント締め付け時の変形に対応するためと思われる。




ワルサー社を示す「359」のバッフェンアムト。




斜体で書かれた「fest」の文字。この書体もオリジナル・リプロ品を見分けるポイントの一つ。

「1236」はこのマウントが本来装着されていた銃本体の製造番号を示す。ZF4が装着された状態で工場から出荷されたG.43/K.43のマウントには製造番号が打たれているが、銃に装着されずに生産されたマウントには、製造番号が打たれていない。




こちらも斜体で書かれた「lose」の刻印。




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