■照準器光学部 その2



光学系が収まる照準器上部を分解するにはまず下面の丸ナットを外す。




射角調整ダイヤルの横にあるレバー(左手の親指で押している部分)を押し下げるとギヤの嚙み合いが外れて、上方へ引き抜くことができる。













上部光学部を回転させるギヤのかみ合わせ・精度ともに高品質であり、軸のグラつきも皆無。




軸の下面には製造番号と思われる数字が打たれている。最初は「211」、その後「201」に打ち直されているようだ。










照準器上部の溝と噛み合うギヤが見える。このギヤは調整ダイヤルと直結している。




■照準器を覗く


照準器を実際に覗いたところ。レティクルは必要最小限のシンプルな形状。




夜間照準用の電球を照らし、レティクルを光らせた状態。※詳細はこちら







MGZ34運搬ケースのフタ内側に収納されている2種類のフィルター。黄色とオレンジ色がありMGZ34の標準付属品となる。フィルター枠は滑り止めのローレット加工が施され、金属の弾性を利用して対物レンズの前に装着させる。







フィルターを対物レンズの前に取り付けたところ。





それぞれのフィルターを装着した状態。単純なカラーフィルターであり、減光効果などはほとんど無い。黄色やオレンジ色のフィルターは、夜間や夕暮れ時などの特定の状況下で使用すると、目標が判別しやすくなる効果がある。




実際の風景を照準器で見るとどのように見えるのか。上の写真は人間の目で見た風景と視野が近いといわれる50mm相当で撮影したもの。同位置から照準器をつかって「○」で示した箇所を見る。




黄色い〇で示した灯台までの距離は850メートル。人間の有無などははっきりと確認でき、服装などもある程度識別可能。対象物が明確に確認でき、肉眼とほぼ同じ程度の明るさで見ることができるため、暗がりでも十分に標的を確認できる。現在のような優れたレンズコーティングが無いので、条件次第では光の映り込み・反射による見えにくさはあるものの、基本的な光学性能は良好。レンズの周辺画像は多少の歪みや湾曲が見られるが中央部の像は非常に鮮明。

※レンズ周辺の像の流れや解像度の低下は、撮影したレンズの影響でやや強調されて写っています。




赤い「○」で示した箇所。中央に停泊する船までの距離は約2000メートル。立ち姿で全身を暴露している標的であれば識別はなんとか可能だが、遮蔽物などに身を隠して身体の一部しか見えないような標的は確認が難しい。MGZ34は高倍率ではないため、2000メートルを超える遠距離の精密射撃には適していない。




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