■射角調整(上下方向)
上下方向への射角の調整は左側の大きなダイヤルを回転させて行う。 ダイヤルを奥側へ回すと上部マウントの後部が上昇する。射表の上にある蝶ネジは上下動を行うギヤのシャフトにつながっており、ネジを締めるとシャフトの動きをロック(ダイヤルの回転もロックする)させることができる。
右側がダイヤルを回してもっとも上げた状態。約10センチ高くなるが、銃口側は逆に低くなるため射線は下がっていく。
ダイヤルは内側にギアが付いており、その横にある2つのギア付きのプレートと嵌合させることにより、ダイヤルの動きをロックしたり制限して、射角範囲を調整できる。写真はダイヤルが自由に回る状態。
ダイヤルを右側に押し込んで2枚のプレートとギアが噛んだ状態。ダイヤルはロックされ回転しない。
2枚のプレートを動かしてダイヤルのギアが噛んだ状態。それぞれのプレートが動く範囲内でダイヤルも回転する。
■射角調整(射撃反動利用方式)
射撃時に発生する銃の反動を利用して、マウント俯仰角を上下に少しずつ自動的に変えながら弾丸を効率良くばら撒くための機構。無塗装になっている部分がその機構にあたり、レバーを左右に動かすことで、上下への可動範囲を10段階で調整する。たかが機関銃のマウントであるが実に凝った機構が内蔵されている。
調整レバーを「0」に設定すれば、上下の射角調整は機能しない。1から10に設定した場合、射角の動きは以下のように変化し、設定数字が大きくなるにしたがって、1発ごとの角度調整量が大きくなる。
1発目は射角調整無し。2発目以降は撃つごとに射角が下がっていく(※狙いよりも下側に着弾)。6発目に最大俯角となり、7発目以降は動きが反転し、12発目で元の射角へ戻る。つまり射角は俯角側へ連続的に6段階に調整され、12発ごとの射撃サイクルで射角調整が一巡する。
調整角度は設定「1」の場合、1発ごとに3ミル移動する。6発の合計移動量は18ミル(約1度)。設定「10」の場合、1発ごとに30ミル、6発合計で180ミル(約10度)の移動量となる。
MG34が載るマウント部はラフェッテ上部フレームとは一体化しておらず、射撃時には反動で銃と共にマウントごと後退する。写真はマウントの後部を上から見た状態。
射撃の反動でMG34のマウントが後座した状態。マウント後部から下向きに突き出た突起が射角調整機構のレバーを押し込んでいるのがわかる。1発を発射するごとにこの動作が繰り返され、そのたびにマウントは指定範囲内での上下動を行う。
■射表
前方に展開している友軍の後方から射撃する際に使う見越し射撃表。内容の詳細はこちらのページ下段に掲載。