■レシーバー その1

レシーバーは約2.6ミリ厚(実測)のスチールを使ったプレス製。内部に収まるボルトが前後に動くためのガイドレールと補強を兼ねて、内側にはコの字型のプレス部品があり、レシーバー両側に見えるリベットはこれを留めるためのものである。




レシーバー後部左側にある刻印を見る。

「F.G.」 は1943年後半の生産を表すコード表示
「M.G.42」 銃の名称 
「3499b」 製造番号  ※43年の23,499挺目
「dfb」 製造メーカーであるグストロフ・ベルケ社のコードと国家鷲章

この部分の刻印に関する詳細はこちらのページをご参照ください。




レシーバー後部から内部を撮影。レシーバーの基本構造がすべてプレス部品で構成されていることがわかる。中央にはシルバーのボルト後部が見え、左右にあるリベット留めされたコの字型のレールでボルト四隅が保持されている。外観のイメージとは異なり、内部構造はかなり複雑。














フィードカバーとフィードトレイを外したレシーバー。ガイドレールによって2重構造となっている内部やプレス独特のラインがよくわかる。



















レシーバー右側に設けられた筒状・T字型コッキングハンドルは引きやすく操作性は良好。外側への張り出しも少なく優れたデザインとなっている。

初期生産型のMG42では横に突き出した形のコッキングハンドルが装備されていた。このハンドルは握りやすい形状であったが、ローラーロッキング機構のボルト閉鎖を解く初動(ボルトハンドルの引き始め)には多大な力を要し、操作性に大きな問題があった。

改良型ボルトハンドルではボルト閉鎖を解く最初の動作部分のみ「てこの原理」を応用した機構を採用し、より軽い力でボルトが引けるようになっている。しかし、この改良型であっても引き始めは力を込めて勢いよく動かさないと、ボルトの閉鎖は解けない。







レシーバー下面の排莢口にはダストカバーが付く。トリガー操作と連動して開くMG34とは異なり、MG42ではボルトの動作に連動して開く単純な方式に改良された。MG34と同様に薬莢は真下に蹴りだされる。







ピストルグリップの後方にある左右に突き出た円形突起はラフェッテ42(大型3脚)に銃本体を固定させるためのもの。木製ストックの基部にあるラッチはリコイルバッファー固定用。




レシーバー右側には、コッキングハンドルが前後に動くための溝があり、補強のための複雑なリブ加工がされている。






バレルジャケットからレシーバーまでが1枚の鋼板プレスで一体成形されているMG42。部品単体で見れば削り出しのMG34と比べ生産性は大きく向上している。その一方、生産には多数のプレス機械とプレス加工に関するノウハウが必要なため生産できる工場が限られており、プレス後の複雑な溶接工程が多かった点は生産拡大を阻害する要因となった。




もどる