MG34用 ガンナーズツールポーチ / Werkzeugtasche
機関銃を運用する上で必要となる工具や付帯品を収納したケースがガンナーズツールポーチ。MG34を持つすべての機関銃手が装備した。MG34予備ボルト、対空射撃用照準器、両口スパナ、薬莢引き抜き工具2種類、ラフェッテ用レンチ、オイル缶、スタータータブ、硫黄ケース、耐熱パッド、銃口カバーなどが収納されている。
ドイツ軍歩兵火力の根幹は機関銃であり、歩兵部隊の人員構成は効率的な機関銃の運用を念頭に考えられている。それだけに機関銃の作動不良は致命傷であり、徹底的な清掃・手入れ・各部の確認は機関銃手に課せられた大きな任務の一つとなる。
ここでは参考までに独軍マニュアルに掲載されている「機関銃手12の心得」を紹介する。
〇1 銃は正しく、丁寧に扱え。
そうすれば戦闘を確実に優位なものにできる。
銃の汚れや不正確なメンテナンスでは要求通りに動かない。
〇2 止まること(作動不良)を認識して、対処方法を学べ。
作動不良で動作が止まった場合、コッキングハンドルを引き、安全装置を掛け、弾帯を外す。
コッキングハンドルを引き、薬室内の弾薬をエジェクションポートから排莢すれば射撃を続けることができる。
様々な要因を想定しなければならない、排莢不良、薬莢の破損、不発、装弾不良など...。
射撃を継続するために、状況を判断できるだけの知識を持たなければならない。
そうすれば、「自分の銃を熟知している」と主張できる。
〇3 射撃前に銃の手入れを怠るな。
作動不良が起こる主な要因は、射撃前の準備段階から生じていることを認識せよ。
戦闘中でも休息時間があるので、機関銃を確認する必要がある。
これに時間を使えば、後悔することはない。
射撃するときは、すべての可動パーツにオイルを塗る。
(※機関銃用のオイルは、ディーゼル油や脂肪ではない)
クロムメッキされたボルトだけはオイル無しでも作動する。
〇4 射撃前に弾薬を確認せよ。
どんな弾種でも、外観に傷のないドイツ製の弾薬を使え。
汚れ、錆、変形した弾薬は作動不良の原因となる。
正しい銃身交換・清掃された綺麗な薬室であれば、ラッカー塗装された鉄製薬莢を使っても作動不良は発生しない。
〇5 ベルトリンクを確認せよ。
変形、汚れ、破損のあるベルトリンクは作動不良の原因となる。
ベルトリンクには丁寧にオイルを塗布し、弾薬が正しい位置にセットされていることを射撃前に確認する。
スタータータブが無い場合、リンク3個分は弾薬をセットせず空にする。
スタータータブがあれば、すべてのリンクに弾薬をセットする。
〇6 射撃前に銃を徹底的に確認せよ。
適切な手順で各部品を清掃してあれば、射撃が中断することはない。
破損や欠損した部品、破損しやすいスプリングパーツは定期的に交換せよ。
〇7 適時の銃身交換を忘れるな。
150発を速射した場合は銃身交換せよ。
射撃位置を変更する場合、移動前に銃身交換するのが望ましい。
予備銃身は綺麗に保ち、しっかりと保護する。
〇8 ホコリ、砂、汚れから銃を保護せよ。
これらは大敵!機関銃の組み立ては閉所(例えばツェルトバーン〈テント機材や簡易雨具として使うポンチョ〉を使うなど)で行うのが最適。
射撃しない時はエジェクションポートカバーを閉じる。
〇9 雪と寒さから銃を守れ。
野外での雪や雨から銃を保護するためにカバーで隠す。
湿度の高い野外では、銃の凍結を引き起こす。
オイルを塗布したベルトリンクやボルトはスムーズに動き、寒冷地でも射撃を中断させることはない。
射撃時の銃が暖かいときにオイルを塗布する。
戦闘の休息時、油の拭き取り作業を決して忘れてはならない。
オイルが付着したままでは、汚れを引き寄せ作動不良を発生させる危険がある。
〇10 標的へ静かに近づき、正確な照準と正しく銃を保持せよ。
銃の2脚、肩とひじを使って銃を正しく保持せよ。
伏せ撃ちでは、右肩-左腰-左脚を水平軸が通るように。これが正しい姿勢。
バットストックはしっかりと前方に押し出すが、肩で過度に押してはならない。
この方法だと命中率が向上し、より高い効力を発揮する。
〇11 弾薬を節約せよ。
長いバースト射撃は弾薬を過度に消費する。短いバースト射撃(5~7発)を多用すれば、弾薬を節約しつつ良い結果をもたらす。
〇12 武器に対してプライドを持て。
これは兵士として要求されている。安全はそれを要求する!母国はそれを要求する!すべての弾薬、すべての銃身、すべての弾薬箱、機関銃を構成するすべての部品は高価で多くの貴重な時間と労力が費やされている。いつでも見える場所に武器を置け!母国の働きに敬いを持て!
■各部のディテール紹介
・ガンナーズツールポーチ本体 その2