MG34用 サドルドラムマガジン /
Doppeltrommel 15 ・ Patronentrommel 34



ベルサイユ条約の制限下、ベルト給弾による機関銃開発が禁止されていたドイツでは、マガジン給弾による機関銃の開発が行われ、サドルマガジンを使用するMG13やMG15が誕生。この2つのサドルマガジンは1931年12月にドイツの製造メーカー「Simson & Co」が取得した特許をもとにSimson/BSW社が開発を行った。

その後登場したMG34はベルト給弾方式を採用したが、対空射撃時に円滑な弾薬供給ができる事・狭い車内でもベルト弾帯が暴れず取り回しが容易になるなどの理由によってマガジン給弾方式も採用することになった。そのマガジンにはMG15に使われたサドルマガジン「Doppeltrommel 15」(以下 DT-15と表記)を改良した「Patronentrommel 34」(以下 PT-34と表記)が採用されており、1935年から1936年にかけて開発が行われた。装弾数は75発、MG34で使用する場合はサドルマガジン専用のフィードカバーへ交換する必要がある。

MG15用のDT-15とMG34用のPT-34はほぼ同じ形状のサドルマガジンであるが互換性が無く、DT-15をMG34で使う事はできない(PT-34はMG15でも使用可)。その理由はDT-15の送弾用スプリングが強すぎてMG34では作動不良を起こす、マガジンリリース金具の形状がMG34に適合しない、という2点である。PT-34ではマガジンスプリングの構造を単純化し、テンション調整機構を設ける事でMG34の作動不良に対処。マガジンリリース金具の形状を変えることでMG34への取り付けを可能としている。このPT-34は主に対空射撃を任務とする部隊と装甲車輌の車載機銃として使用された。

しかし、ベルト給弾がメインとなったMG34でのサドルマガジン使用例は僅かに留まっている。1939年11月に50連のベルト弾帯を1本収めることができる50連ドラムマガジン(Gurttrommel)が採用されるとサドルマガジンが使われる場面は大幅に減少し、大戦中期以降の使用はほぼ確認できない。


※本項では現存数が少なく入手困難なPT-34に代わり、ほぼ同じ形状のDT-15を紹介します。


■各部のディテール紹介


・サドルドラムマガジン DT-15

・サドルドラムマガジン DT-15の内部構造

・サドルドラムマガジンへの装填 その1

・サドルドラムマガジンへの装填 その2

・MG34への装着 その1

・MG34への装着 その2


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